不動産登記
土地の境界紛争を容易に解決するための新たな制度として、平成18年1月20日に筆界(ひっかい)特定制度が施行されました。
例えば、土地を買い、登記したときは土地の境界はなんの問題もなかったとします。
ところが、お隣が塀を建てたとき、実はいくらか越境して建ててしまいました。
当事者同士は仲が良かったので、お互い「合意」で済ましてしまい、月日がたちました。
その後、当事者は二人とも亡くなり、相続の関係で調べていますと、登記したときのいわゆる公法上の境界は塀の向こうだと分かりました。
ところが現在のお隣さん(たとえば当事者の息子さん)は塀が境界だと子供の頃から思っていたとしたら、塀の向こう側をすでに時効により取得している場合が多いでしょう。塀を建てたときに何も文書を交わさず、法的な対応を怠っていると、このようにその所有権を失ってしまうのです。
したがって自分たちの所有権の境界は、その塀のところまで後退してしまいました。しかし、もともとの一筆の土地(191番の様に番号がついています)の境界(公法上の境界)にはなんの変動もないのです。それを”筆界”と呼んでいます。
こういった場合、今までは「筆界確定訴訟」という裁判でしか解決ができませんでした。そのため、筆界でもめてお隣とうまくいかなくなり、筆界確認が出来ないままになってしまっていたケースが多々ありました。
しかし、この制度の施行により、訴訟を経ないで、土地の筆界の位置を特定してもらうことができるようになりました。
この制度のなによりのメリットは相手を訴える必要がないということです。これは訴訟と比べると精神的に楽で、また訴訟が多額の費用と年数を必要とするのに比べ、少額で済み解決も早いという利点があります。従来は訴訟などの手続きにより平均で2年程度かかっていた境界紛争の解決が、半年程度で処理できるものとされています。






